リモートワークが中心となった勤務形態に合わせた業務フローを、kintoneを活用した社内システムで支える。

リモートワークが増えるなど、さまざまな勤務形態の社員が利用する社内システムをkintoneで構築。導入の経緯から活用方、今後の課題まで社長の森さんと毎日kintoneに触れる事務の川井さんにお話をお聞きしました。

企業情報

業種:ITシステム開発
エリア:
愛知県
従業員数:
63名 (2023年9月現在)
会社概要:
ネットワークソリューションを中心に様々な業種のシステム開発を手がけるSIer企業。特定の系列やプラットフォームに限定されない技術力をベースにした自社開発から、技術者派遣、ITコンサルなどを主な事業としている。

kintone導入の経緯

最初にめざしたのはプロジェクトの見える化。

kintoneを利用するきっかけを教えてください。

会計ソフトの変更がきっかけです。2020年の夏だったのでコロナ禍がはじまってすぐの頃でした。請求管理をクラウドで行おうとしたときに、元となるプロジェクト管理もできるようにkintoneを導入したのがスタートです。

kintone以外にも検討されたサービスはありますか。

請求管理に特化したサービスも検討しましたが、見積りから請求までの流れを一貫してみられるようにしたかったので、kintoneの方がプロジェクトの中身に至るまで詳細な管理に対応できるのではないかと判断しました。

代表取締役社長 森尚久 様
代表取締役社長 森尚久 様

kintone活用の現状

さまざまな申請を紙からkintoneへ変更。

会社の中でどのようにkintoneが活用されているのか教えてください。

はい。大きく分けて「プロジェクト管理」「勤怠管理」「社内管理」の3つがあります。社内管理は機材や備品の管理など一部の人しか使わないので、多くの社員は「プロジェクト管理」「勤怠管理」を利用します。


「プロジェクト管理」は、プロジェクト(案件)ごとにレコードを追加して、見積から請求に至るまでの過程にあるさまざまな情報を登録していきます。顧客情報はマスターデータとして別アプリで管理しているのでルックアップで簡単に登録できますし、見積書や請求書といった帳票もkintoneからPDFとして出力できます。押印を含めた承認フローもkintone内で完結しています。


次に「勤怠管理」ですが、基本となる出勤簿の登録だけでなく、経費や出張などの申請や精算などの手続きも行えます。出勤簿とプロジェクト管理が紐づいているので、プロジェクトごとの工数管理もある程度できるようになりました。

事務職としてkintoneが導入されて感じることを教えてください。

そうですね。大きな変化は、さまざまな申請が紙からkintoneになったことです。今は全社的にリモートワークが中心となり多くの社員が週1程度の出社なのですが、出勤簿もkintone上で登録できるので、不規則な勤怠管理にも対応できています。出張申請や経費精算も柔軟にできるので、私たちもみんなも助かっていると思います。

プロジェクト管理
プロジェクト管理アプリ画面

未受注案件も含めてすべての案件をkintoneに登録。受注~請求~入金確認まで一括で管理できる。

社内管理
経費申請アプリ画面

社内の申請系はkintoneに集約している。

会社からの支払いを現金か振り込みかを選択でき、不明点はコメントで事務が対応する。

勤怠管理
勤怠管理アプリ画面

給与計算は社労士へデータを渡すので、元データを収集することが目的となる。

客先常駐のメンバーもいるが、各社ごとに報告書のレイアウトが違うので、そちらは個別の管理方法を採ったりして、柔軟に対応している。

今後の課題・展望

kintoneの柔軟性を活かせる環境作りを。

kintone活用における今後の課題はありますか。

当社には技術者はたくさんいますが、いわゆる情シスといわれるような部署はありません。kintoneアプリの開発は、一人のSEに任せているのが現状です。経験のあるSEであり社内の業務フローにも精通したベテラン社員なので、導入時にはスピーディに開発を進めることができました。ただ一方で、個人に依存してしまっているのも事実です。

日々アプリを使っていると改善点や不具合も出てくるのですが、担当者が本業に忙しくなるとどうしてもkintoneへの対応が遅れてしまいます。専任を置くところまでは難しいとしても、kintoneの柔軟性が活かされていない状況は課題だと考えています。

属人化を回避することは大事ですね。

そうですね。毎日kintoneを操作する私たちもジレンマを感じることはあります。ただ、見積書の作成ひとつとっても、以前の会計システムの頃と比較すると、誰でも作成できるようになったことで仕事の柔軟性は高くなったと感じています。そうした便利な仕組みを増やして、もっと働きやすい環境がつくれるように、私たちも取り組んでいきたいと思います。