「クラウド版のサイボウズ Officeに移るのと、Garoonにコンバートするのと、どちらがいいですか?」。パッケージ版サイボウズ Officeのサポート終了を前に、私たちサティライズに実際に寄せられている相談です。
移行先の候補は、クラウド版 Office・Garoon・kintoneの3つ。どれも同じサイボウズ製品ですが、向いている組織の規模も、得意な使い方もはっきり違います。この記事では、名古屋のサイボウズ オフィシャルパートナーである私たちが3つを比べます。比べる軸は規模・機能・費用・移行方法の4つ。自社に合う移行先を選ぶ手順まで整理しました。
サポート終了の日程そのものを確認したい方は、先にパッケージ版サイボウズ Officeのサポート終了はいつ?をご覧ください。
結論|3つの移行先の選び方
細かい比較に入る前に、結論からお伝えします。迷ったときは、まず次の早見表で当たりをつけてください。

| 移行先 | 向いている組織 | 強み | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| クラウド版 サイボウズ Office | 300名未満で、今の使い方を続けたい | 画面や操作がほぼ変わらず、移行の負担が小さい | 推奨は300ユーザーまで |
| クラウド版 Garoon | 300名以上、または他システムと連携したい | 細かなアクセス権、多言語、外部サービス連携 | Officeのカスタムアプリはそのまま移せない |
| kintone | グループウェアよりデータベースとして使いたい | 業務アプリを自社で作れる | スケジュール・施設予約の機能がない |
※どれか1つに絞る必要はありません。後半で紹介するように、kintoneとの併用もよくある選択です。
私たちサティライズがお客様に移行先を提案するときの分かれ目も、この早見表と同じです。
クラウド版 Office:ユーザー数が300名未満で、現状の機能に不満がない
クラウド版 Garoon:ユーザー数が300名以上、または他システムとの連携を検討している
kintone:グループウェアの機能よりも、データベースとしての機能を重視したい
ここからは、この結論の根拠を「規模」「機能」「費用」「移行方法」の順に見ていきます。
規模で比べる|100名と300名が目安
最初に見るべきは、利用する人数です。3製品は、想定している組織の規模がはっきり分かれています。
| 製品 | 想定規模の目安 | 最低契約数 |
|---|---|---|
| サイボウズ Office | 100名程度までの組織向け(クラウド版の推奨は300ユーザーまで) | 5ユーザー |
| Garoon | 10名〜数万名 | 10ユーザー |
| kintone | 規模を問わず利用可 | 10ユーザー |
Officeは、GaroonとOfficeの比較ページで「100人までの組織におすすめ」と位置づけられています。一方、クラウド版 Officeの料金ページでは推奨上限を300ユーザーとしています。
つまり、100〜300名は「Officeでも運用できるが、Garoonも視野に入る」ゾーンです。この規模の会社は、人数だけでは決めきれません。次の「機能」で何が必要かを確認して判断します。
業種はさまざまですが、規模は従業員100名以上のケースが多いです。
利用規模に合わなくなった、他システムとの連携を考えている、という理由でコンバートされます。
意外と、各機能の強化を目的にコンバートするケースは少ないです。
300名に近づいている会社や、数年以内に人数が増える見込みがある会社は、Garoonを第一候補にしてください。移行してすぐに上限が気になる状態では、二度手間になりかねません。
機能で比べる|Office・Garoon・kintoneの違い
次に、使いたい機能で比べます。同じサイボウズ製品でも、OfficeとGaroonは「グループウェア」、kintoneは「業務アプリを作るためのデータベース」と、そもそもの役割が違います。
| 項目 | サイボウズ Office | Garoon | kintone |
|---|---|---|---|
| スケジュール・施設予約 | あり | あり | なし |
| データベース(業務アプリ) | カスタムアプリ(プレミアムコース) | なし(kintone連携で補う) | 主機能 |
| 報告書 | あり(フォームは1種類) | マルチレポート(複数のフォームを作成可) | アプリで作成 |
| 管理・アクセス権 | 少人数向けのシンプルな管理 | 細かなアクセス権、アクセスログ、管理権限の移譲 | アプリごとに設定 |
| 対応言語 | 日本語のみ | 日本語・英語・簡体字・繁体字 | 7言語 |
| 外部連携 | kintone連携 | kintone、Microsoft 365、Web会議、チャットなど | API・プラグインで拡張(スタンダードコース以上) |
| ポータル(トップページ) | 1つ | 複数作成できる | — |
※カスタムアプリはサイボウズ Officeだけの機能です(クラウド版 サイボウズ Office / Garoon 比較資料)。Garoonでデータベース的な使い方をしたい場合は、kintoneと連携させます。
kintone FAQにもあるとおり、kintoneにはスケジュールや施設予約の機能がありません。Officeのスケジュールを毎日使っている会社がkintoneだけに移ると、予定の共有手段を別に用意する必要があります。グループウェア機能も必要なら、OfficeかGaroonとの併用を前提に考えてください。
反対に、Garoonが活きるのは、部署や拠点が多く、閲覧範囲を細かく分けたい組織です。海外拠点がある会社の多言語対応や、Microsoft 365などとの連携も、Officeにはない強みになります。違いをもっと詳しく知りたい方は、GaroonとサイボウズOffice ~なにが違うの??もあわせてご覧ください。
費用で比べる|100名・300名の月額試算
ライセンス費用を、100名と300名の2パターンで試算しました。どの製品も初期費用は無料で、1ユーザーあたりの月額料金で決まります。
| 移行先(コース) | 1ユーザー月額 | 100名の月額 | 300名の月額 |
|---|---|---|---|
| クラウド版 Office(スタンダード) | 600円 | 60,000円 | 180,000円 |
| クラウド版 Office(プレミアム) | 1,000円 | 100,000円 | 300,000円 |
| クラウド版 Garoon | 900円 | 90,000円 | 270,000円 |
| kintone(スタンダード) | 1,800円 | 180,000円 | 540,000円 |
| Garoon+kintone(スタンダード)を全員で併用 | 2,700円 | 270,000円 | 810,000円 |
※税抜・月払いのライセンス費用のみです。移行作業の費用やオプションは含みません。料金は各製品の料金ページ(サイボウズ Office・Garoon・kintone)の掲載額で計算しています。
表を見ると、カスタムアプリを使うためにOfficeのプレミアムコースを選ぶ場合、Garoonより割高になることが分かります。「カスタムアプリが必要だからOfficeのプレミアム」と決める前に、Garoonとの差額も比べてみてください。
また、kintoneは全員分を契約する必要があるとは限りません。業務アプリを使う部署だけでkintoneを契約し、全社のスケジュールはOfficeかGaroonで共有する、という組み方もできます。
移行方法で比べる|データはどう移す?
移行先によって、データの移し方も、かかる手間も変わります。ここを知らずに決めると、移行の途中で想定外の作業が出てきます。
クラウド版 Officeへ移す場合
無料のデータ移行ツールで、パッケージ版のデータをクラウド版へ移します。カスタムアプリもそのまま移せるため、3つの中で最も負担が小さい方法です。ただし、データ量が500GBを超える場合や、登録ユーザー数が350名を超える場合はツールを使えません。
Garoonへ移す場合
Officeのデータをコンバーターで移す作業は、サイボウズ オフィシャルパートナーだけが行えます。カスタムアプリはGaroonに移せないため、kintoneへ移すか、クラウド版 Officeを併用して残すかを先に決めておく必要があります。
kintoneへ移す場合
kintoneへ移せるのは、主にカスタムアプリのデータです。レコードをCSVで書き出してkintoneのアプリを作り、添付ファイルは無料のファイルアップツール for kintoneでまとめてアップロードします。このツールを使うには、Officeのプレミアムコースとkintoneのスタンダードコース以上の契約が必要です。
パッケージ版 Officeからクラウド版 Garoonへ移る場合は、カスタムアプリをkintoneへ移行する必要があります。
課題になるのは添付ファイルの移行ですが、サティライズの移行ツールを使えば添付ファイルも含めて移行できます。
移行にかかる期間も、移行先と組み合わせ方で変わります。サティライズが支援した2つの事例を紹介します。
規模:サイボウズ Office 70ユーザー、メールワイズ 5ユーザー
移行:パッケージ版 → クラウド版(cybozu.com)
きっかけ:物理サーバーのクラウド化。メールワイズのサポート終了とOfficeの2027年の終了が迫っていた
対応:複数製品の統合クラウド化、ログインの統一、他社インフラ業者との連携調整、移行後の運用サポート
期間:約4か月
▶ 事例の詳細を見る
規模:150ユーザー
移行:Cybozu デヂエ 8 → クラウド版 サイボウズ Office
課題:サイボウズ Officeとkintoneのどちらへ移るべきか、移行方法も見えていなかった
結果:使用感の変わらないサイボウズ Officeを選択。移行計画の策定や移行後の確認項目まで支援
▶ 事例の詳細を見る
岐阜県の事例のように、「機能が多いほう」ではなく「社員が迷わず使い続けられるほう」を選ぶのも立派な判断です。移行後に使われなくなってしまっては、どの製品を選んでも意味がありません。
組み合わせるという選択肢|kintoneとの併用
移行先は1つに絞らなくても構いません。グループウェアはOfficeかGaroon、業務アプリはkintone、という分担はよくある形です。
Office+kintone
2025年1月から、クラウド版 Officeのスケジュールとkintoneアプリの連携が使えるようになりました。訪問予定から顧客管理アプリのレコードを開いたり、kintoneで承認された休暇をOfficeのスケジュールに登録したりできます。両製品ともスタンダードコース以上の契約が必要です。
Garoon+kintone
Garoonは、kintoneとの連携の幅がさらに広がります。Garoonのポータルにkintoneのアプリを表示したり、Garoonの予定をkintoneの日報アプリに自動で取り込んだりできます。具体的な使い方は、kintoneと一緒に使うともっと強力! Garoon連携の力やGaroonとkintoneを簡単に連携!日報アプリにスケジュール情報を自動追加で紹介しています。
どちらの組み合わせでも、カスタムアプリで作り込んできた業務をkintoneで作り直す作業が入ります。作り直しは、今の業務の進め方を見直すきっかけにもなります。
迷ったときの選び方|4つの質問で絞り込む
ここまでの内容を、順番に答えるだけで移行先が絞れる4つの質問にまとめました。上から順に確認してください。
超える、または近く超える見込みなら、Garoonが第一候補です
必要ならGaroonです。100〜300名の会社はここが分かれ目になります
使い続けるならOfficeかGaroon。使わないなら、kintone中心も選択肢です
そのまま使うならOfficeのプレミアムコース。作り直すならkintoneとの併用です
4つ答えても決めきれない場合は、今の使い方のままクラウド版 Officeへ移り、必要な業務だけkintoneを足していく進め方が堅実です。移行の期限から逆算すると、移行先の決定は、サポート終了日の6か月前までに済ませておくことが重要です。
よくある質問
- 100名程度の会社ですが、クラウド版 OfficeとGaroonのどちらがよいですか?
今の機能に不満がなく、人数が大きく増える予定もなければ、クラウド版 Officeで十分です。部署ごとに閲覧範囲を細かく分けたい、他システムと連携したい、といった要望がある場合はGaroonを検討してください。
- kintoneだけに移行することはできますか?
カスタムアプリのデータはkintoneへ移せます。ただしkintoneにはスケジュールや施設予約の機能がないため、これらを使っている場合はOfficeかGaroonとの併用が前提になります。
- Garoonに移ると、Officeのカスタムアプリはどうなりますか?
Garoonには移せないため、kintoneへ移すか、クラウド版 Officeを併用して残すかのどちらかになります。kintoneへ移す場合、添付ファイルはファイルアップツール for kintoneでまとめてアップロードできます。
- 移行先によって、移行作業の期間は変わりますか?
変わります。パッケージ版からクラウド版 Officeへの移行は、お客様の確認期間も含めて1〜2か月が目安です。Garoonへのコンバートやカスタムアプリの作り直しが入る場合は、さらに期間を見込んでください。
- 移行先の相談だけでもできますか?
できます。サティライズでは、今の使い方や人数、カスタムアプリの状況をうかがったうえで、移行先の候補をご提案しています。相談と見積もりは無料です。
まとめ|規模と使い方から、無理のない移行先を
パッケージ版サイボウズ Officeの移行先は、クラウド版 Office・Garoon・kintoneの3つです。300名未満で今の使い方に満足しているならクラウド版 Office、300名以上や他システム連携ならGaroon。データベースとして使いたいならkintoneが基本の選び方です。
100〜300名の会社や、カスタムアプリを多く使っている会社は、機能・費用・移行方法まで比べて決める必要があります。kintoneとの併用も含めて、自社に合う形を選んでください。
移行先ごとの支援サービスは、次のページで紹介しています。
「うちの場合はどれが合うのか」と迷ったら、サティライズにご相談ください。オンラインで全国対応しており、相談・見積もりは無料です。

