「パッケージ版のサイボウズ Office、サポートが終わるらしいけれど、いつまで使えるのか」。サーバーを社内に置いて長年使ってきた企業ほど、こうした疑問を抱えたまま日々の業務に追われています。

結論から言うと、パッケージ版サイボウズ Officeのサポートは遅くとも2027年9月30日で終了します。ただし、ライセンスの有効期限によっては、それより早く終わる企業もあります。有効期限を延ばすための継続ライセンスの購入受付も、2026年9月30日で終了しました。

この記事では、名古屋のサイボウズ オフィシャルパートナーである私たちサティライズが、終了スケジュールの正しい読み方、移行先の選び方、いつまでに何をやればよいかを順に整理しました。サイボウズ製品を15年以上扱ってきた中で、実際に寄せられている相談内容もあわせて紹介します。

パッケージ版サイボウズ Officeのサポート終了はいつ?

サイボウズ社は、パッケージ版の販売とサポートを段階的に終了しています。まずは主要な日付を時系列で押さえておきましょう。

時期内容
2021年9月30日新規ライセンスの販売終了。以降、機能追加を伴うリリースは原則なし
2026年9月30日継続ライセンスの購入受付がすべて終了
2027年9月30日サポート終了(最も遅い場合)
2027年12月31日クラウド版 Officeへのデータ移行ツール(Windows版)の提供終了

※終了するのはパッケージ版です。クラウド版のサイボウズ Officeは、引き続き購入・利用できます。

出典はサイボウズ公式「パッケージ版 サイボウズ Office 販売・サポート終了のお知らせ」です。終了の理由について、公式は長期的なメンテナンスに膨大なリソースがかかる見込みのため、クラウド版に力を集中すると説明しています。

全員が「2027年9月30日」ではない

見落とされやすいのが、サポート終了日はライセンスの有効期限ごとに異なるという点です。

たとえば、有効期限が2025年12月末だった企業が継続ライセンスを購入した場合、サポート終了日は2027年1月30日です。有効期限が2026年8月末なら、継続ライセンスを買って2027年9月30日まで。2026年12月末〜2027年8月末に有効期限を迎える企業は継続ライセンスを購入できず、今の有効期限に30日間の猶予を足した日でサポートが終わります。逆に、有効期限が2027年9月末以降に残っていても、サポートは2027年9月30日で打ち切りです。

自社の終了日を知るには、まず今のライセンス有効期限を確認してください。公式の「有効期限別:ライセンス販売終了スケジュール表」と照らし合わせれば、正確な日付が分かります。

継続ライセンスの購入受付は2026年9月30日で終了しました

これ以降、ライセンスの有効期限を延ばすことはできません。お手元のライセンス有効期限からサポート終了日を確認し、そこから逆算して移行を進めてください。

サポート終了後もパッケージ版を使い続けるとどうなる?

「サポートが切れても、画面が開けば使えるのでは」と考える方もいます。しかし、使い続けるリスクは小さくありません。

サポート終了後に起きる3つのこと

① 脆弱性や不具合の修正が行われない
2027年9月30日以降は、重大な脆弱性の改修も含めて開発が終了します。

② 新しいOS・ブラウザへの対応検証が行われない
WindowsやChromeの更新で動作が不安定になっても、修正されません。

③ ライセンスの有効期限が切れると一部機能のデータが扱えない
ワークフロー・報告書・カスタムアプリなどは、データの閲覧や書き出しもできなくなります。

特に③は、移行計画に直結します。期限を過ぎてから移行に取りかかると、申請履歴や業務データを取り出せない事態になりかねません。データを確実に引き継ぐには、有効期限内に移行を終えておく必要があります。

社外からのアクセスや取引先とのやり取りにグループウェアを使っている場合、脆弱性を放置したサーバーは情報漏えいの入口になります。サポート終了後の継続利用は、事実上の選択肢から外して考えてください。

移行先は3つ|クラウド版 Office・Garoon・kintone

サイボウズ製品の中で移行先を選ぶ場合、候補は主に3つです。利用人数が300名以下ならクラウド版サイボウズ Office、300名以上またはLGWAN利用ならGaroonが適しています。GaroonはLGWAN(自治体専用ネットワーク)でも引き続き利用できます。

パッケージ版サイボウズ Officeからの移行先3つ(クラウド版Office・Garoon・kintone)と選ぶ目安を示した図
移行先向いている組織料金の目安(税抜)
クラウド版 サイボウズ Office300名程度までで、今の使い方をそのまま続けたいスタンダード月額600円、プレミアム月額1,000円(1ユーザー)
クラウド版 Garoon300名以上、または他システムとの連携を考えている月額900円(1ユーザー、1,000ユーザーまで)
kintoneグループウェアよりも業務データベースとしての使い方を重視するライト月額1,000円、スタンダード月額1,800円(1ユーザー)

料金は各公式ページ(サイボウズ Office・Garoon・kintone)の掲載額です。クラウド版 Officeの2コースの違いは、カスタムアプリ機能があるかどうかだけです。

なお、kintoneはサイボウズ Officeをそのまま置き換える製品ではありません。kintone公式FAQにあるとおり、kintoneにはスケジュールや施設予約の機能は搭載されていません。業務データベースや他システムとの連携を重視する場合の選択肢で、グループウェア機能も必要ならOfficeやGaroonとの併用を考えます。

サティライズが移行先を提案するときの分かれ目

私たちサティライズがお客様に移行先を提案するときの分かれ目を、担当者に聞いてみました。

サティライズ担当者の声|移行先の分かれ目

クラウド版 Office:ユーザー数が300名未満で、現状の機能に不満がない
クラウド版 Garoon:ユーザー数が300名以上、または他システムとの連携を検討している
kintone:グループウェアの機能よりも、データベースとしての機能を重視したい

Garoonへ移るお客様は、従業員100名以上の規模が多い傾向です。意外なことに、「Garoonの機能を使いたいから」という理由で乗り換える企業は多くありません。

サティライズ担当者の声|Garoonへコンバートするきっかけ

業種はさまざまですが、規模は従業員100名以上のケースが多いです。
・利用規模に合わなくなってGaroonにコンバートするケース
・他システムとの連携を考えてGaroonにコンバートするケース
意外と、各機能の強化を目的にコンバートするケースは少ないです。

OfficeとGaroonの違いをもう少し詳しく知りたい方は、GaroonとサイボウズOffice ~なにが違うの??もあわせてご覧ください。

移行先を決める前に確認したい4つのこと

移行先の候補が見えてきたら、次の4点を社内で確認します。ここを後回しにすると、移行の途中で「このままでは移せない」と判明して、スケジュールが崩れます。

1. 登録ユーザー数(300名・350名の線)

推奨ラインは300名です。さらに、サイボウズのデータ移行手順によると、登録ユーザー数が350名を超える場合はクラウド版へのデータ移行ツールが使えません。退職者のアカウントが有効な状態で残ったままになっていないか、まず棚卸ししていただくことが重要です。

2. データ容量(クラウド版 Officeへの移行ツールは500GBまで)

パッケージ版からクラウド版 Officeへのデータ移行ツールは、データ量が500GBを超えると利用できません。添付ファイルが長年たまっている企業ほど、この上限に引っかかりやすくなります。

Garoonへ移る場合も、容量は事前に確認が必要です。サティライズの事例ページでは、パッケージ版Garoonをパートナーがクラウド化する場合の上限も500GBと紹介しています。実際に、この上限が課題になったお客様がいました。

導入事例|データ容量530GBからのクラウド移行(サービス業・愛知県)

規模:300ユーザー
移行:パッケージ版 サイボウズ Office → クラウド版 Garoon
きっかけ:事業拡大でユーザー数が増え、2027年9月のサポート終了も迫っていた
課題:データ容量が530GBに達し、パッケージ版Garoonをパートナーがクラウド化する際の上限(500GB)を超えていた
対応:段階的なコンバート、データ削減による容量調整、クラウドへのアップロード、管理者教育
期間:2か月弱
▶ 事例の詳細を見る

3. カスタムアプリの使い方

カスタムアプリを業務で使っているかどうかで、移行の難しさは大きく変わります。なお、クラウド版 Officeでカスタムアプリを使うにはプレミアムコースの契約が必要です。移行先ごとの扱いを、担当者に聞きました。

サティライズ担当者の声|カスタムアプリの移行

パッケージ版 Office → クラウド版 Office:そのまま移行できるので、容量さえ気をつければ苦労しません。
パッケージ版 Office → クラウド版 Garoon(Garoonに一本化する場合):カスタムアプリはkintoneに移行する必要があります。課題になるのは添付ファイルの移行ですが、サティライズの移行ツールを使えば添付ファイルも含めて移行できます。

Garoonへ一本化せず、クラウド版 Officeを併用してカスタムアプリを残す選択肢もあります。

導入事例|GaroonとOfficeを両方クラウドへ(サービス業・静岡県)

規模:300ユーザー
移行:パッケージ版 Garoon+パッケージ版 サイボウズ Office → 両製品ともクラウド版へ
課題:デヂエからコンバートしたカスタムアプリが両製品をつないでおり、クラウド化での扱いが懸念だった
結果:カスタムアプリを維持したままクラウド化。組織IDの統一でアクセス権の課題も解消
期間:2か月(フルリモートで対応)
▶ 事例の詳細を見る

4. ログイン方法とセキュリティの変化

クラウド版はインターネットにつながれば社外からも使えます。便利になる反面、社内サーバー時代とはログイン方法が変わり、アクセス制限の考え方も変わります。

サティライズ担当者の声|クラウド版 Officeへの移行で気をつけること

Office同士なので、大きな違いは少なく、ほとんど問題はありません。
大きな違いになりうるのはログイン方法なので、事前にお客様へ説明しておきます。
セキュリティ面でご相談を受けるケースもあります。

クラウド版では、アクセスできるIPアドレスを制限する設定を追加費用なしで使えます。さらに、クライアント証明書を入れた端末だけにアクセスを限定したい場合は、有料オプションのセキュアアクセス(1ユーザー月額250円・税抜)も選べます。

サポート終了から逆算した移行スケジュール

移行作業そのものにどれくらいかかるのか。まずは実際の所要期間を担当者に聞きました。

サティライズ担当者の声|クラウド移行にかかる期間

パッケージ版からクラウド版 Officeへの移行は、お客様の確認期間も入れて1か月から2か月です。

Garoonへの移行やカスタムアプリの作り直しが入る場合は、さらに余裕を見てください。社内の確認や周知も含めると、次のような逆算が目安になります。

1
今すぐ

ライセンス有効期限を確認し、自社のサポート終了日を特定する

2
終了日の6か月前まで

ユーザー数・データ容量・カスタムアプリを棚卸しし、移行先を決める

3
終了日の3か月前まで

リハーサル移行と動作確認を行い、社員への周知を始める

4
終了日の1か月前まで

本番移行を完了し、旧サーバーを停止する準備を整える

クラウド版 Officeへのデータ移行ツールで移行している間は、移行元のパッケージ版を使えません。本番移行は、業務への影響が小さい週末や連休に置くのが一般的です。支援会社に依頼する場合も、期限間際では希望の日程を押さえにくくなるため、早めに声をかけておくと安心です。

クラウド版 Officeへのデータ移行ツール(Windows版)は、2027年12月31日で提供を終えます(Linux版は2024年6月30日に終了済み)。サポート終了日を過ぎても3か月ほどは使える計算ですが、有効期限切れで一部データが扱えなくなる点を考えると、移行ツールの期限はあてにしないほうが安全です。

サティライズに寄せられている相談の実例

サポート終了を前に、私たちのもとにはさまざまな相談が届いています。直近で担当者の印象に残っていたものを3つ紹介します。

相談① ユーザー数が300名を超えそう

サイボウズ Officeの無制限版を利用していて、ユーザー数が300名を超えてしまう。Garoonに移行したいが、カスタムアプリをどう移行したらいいか分からない。

相談② クラウド版かGaroonか

クラウド移行するのと、Garoonにコンバートするのと、どちらがいいですか?

相談③ ほかの選択肢は?

何かほかに、いいグループウェアはないですか?

1つ目と2つ目は、この記事で紹介した4つの確認ポイントで方向性が見えてきます。ユーザー数が300名を超えていればGaroon、カスタムアプリが多ければkintoneでの受け皿づくりもあわせて検討する、という流れです。

3つ目は、正直に言って答えにくい質問です。それでも、サポート終了は今の使い方を見直すよい機会でもあります。サティライズでは、今の使い方と今後やりたいことをうかがったうえで、無理のない移行先を一緒に考えています。

移行先ごとの支援サービスは、次のページで詳しく紹介しています。

よくある質問

Q
クラウド版のサイボウズ Officeもサービス終了になりますか?
A

今回終了するのはパッケージ版です。サイボウズ社は、サイボウズ Officeを引き続きクラウド版で提供し、クラウド版では今後も機能追加を伴うリリースを続けると案内しています。

Q
自社のサポート終了日はどうやって確認すればよいですか?
A

まず現在のライセンス有効期限を確認し、サイボウズ公式の終了のお知らせにある「有効期限別:ライセンス販売終了スケジュール表」と照らし合わせてください。有効期限によって、2027年1月30日〜9月30日の間で終了日が変わります。

Q
サイボウズ OfficeからGaroonへ直接移行できますか?
A

できます。ただしGaroonへのデータ移行(コンバーター利用)は、サイボウズ公式によるとサイボウズ オフィシャルパートナーのみが実施できます。カスタムアプリを使っている場合は、kintoneへ移すか、クラウド版 Officeを併用して残すかを事前に決めておく必要があります。

Q
移行ツールが使えないのはどんな場合ですか?
A

クラウド版 Officeへのデータ移行ツールは、データ量が500GBを超える場合と、登録ユーザー数が350名を超える場合には使えません。不要データの削除やユーザーの整理で条件内に収めるか、別の移行方法を検討します。

Q
パッケージ版のデータをクラウド版へ移すと、移行中は業務が止まりますか?
A

クラウド版 Officeへのデータ移行ツールで移行している間は、移行元のパッケージ版を利用できません。本番移行は週末など業務への影響が小さい日に行うのが一般的です。事前にリハーサルで所要時間を測っておくと、停止時間の見通しが立ちます。

Q
移行を支援会社に頼むと、費用はどのくらいかかりますか?
A

データ量やカスタムアプリの有無で変わります。サティライズのOffice10 クラウド移行サービスは70万円からで、相談と見積もりは無料です。まずは現状をうかがってから、必要な作業範囲をお伝えしています。

まとめ|まずは自社の終了日を確かめるところから

パッケージ版サイボウズ Officeのサポートは、遅くとも2027年9月30日に終わります。ただし終了日はライセンスの有効期限しだいで、継続ライセンスの購入受付も2026年9月30日で終わりました。

移行先はクラウド版 Office・Garoon・kintoneの3つが中心で、ユーザー数・データ容量・カスタムアプリ・ログイン方法の4点で絞り込めます。移行作業そのものは1〜2か月でも、社内の確認や周知を含めると半年は見ておきたいところです。

「うちの場合はどれが合うのか」と迷ったら、サティライズにご相談ください。オンラインで全国対応しており、相談・見積もりは無料です。