サイボウズのグループウェアには、「サイボウズ Office」と「Garoon(ガルーン)」の2つがあります。同じ会社の、同じグループウェア。スケジュールも掲示板もワークフローも、どちらにもあります。では、何が違うのでしょうか。
答えを先に言うと、いちばんの違いは「想定している組織の規模」と、それに合わせた管理機能です。機能の数そのものより、組織が大きくなったときに困らない仕組みがあるかどうかが、2つを分けています。
この記事では、名古屋のサイボウズ オフィシャルパートナーで、自社でもGaroonを使っている私たちサティライズが解説します。規模・機能・管理・価格の違いと、Officeから乗り換えるときの判断ポイントを順に整理しました。
いちばんの違いは「想定する組織の規模」
サイボウズは、Officeを「中小企業向けグループウェア」、Garoonを「大企業向けのグループウェア」と位置づけています。規模と料金を並べると、違いがはっきりします。
| 項目 | サイボウズ Office | Garoon |
|---|---|---|
| 主な利用規模 | 100名以下の企業・部署が中心。最大300名まで | 100名以上での利用が多く、1万名以上の導入実績もある |
| 最低契約数 | 5ユーザー | 10ユーザー |
| クラウド版の料金(1ユーザー月額・税抜) | スタンダード600円、プレミアム1,000円 | 900円(1,000ユーザーまで) |
| 管理のしやすさ | 特別な知識がなくても運用できるシンプルな管理 | ロールを使った細かなアクセス権、アクセスログの取得 |
※クラウド版 サイボウズ Office / Garoon 比較資料と、Office・Garoonの料金ページをもとにまとめています。
実際に私たちが支援している乗り換えのお客様も、規模が分かれ目になっています。
業種はさまざまですが、規模は従業員100名以上のケースが多いです。
・利用規模に合わなくなってGaroonにコンバートするケース
・他システムとの連携を考えてGaroonにコンバートするケース
意外と、各機能の強化を目的にコンバートするケースは少ないです。
「Garoonは大企業向けだから、うちには大げさでは」と思われるかもしれません。ただ、Garoonは10ユーザーから契約でき、小さな組織でも使えます。私たちサティライズも、社内のグループウェアとしてGaroonを使っています。
機能の違い|片方にしかない機能
スケジュール、施設予約、掲示板、ファイル管理、ワークフロー、メール、タイムカード、アドレス帳といった基本機能は、どちらにもあります。違いが出るのは、片方にしかない機能と、同じ機能の細かさです。

| Officeだけにある機能 | Garoonだけにある機能 |
|---|---|
| カスタムアプリ(業務データベース) | ポータル(部署や役割ごとに複数作成) |
| プロジェクト管理(計画と進捗をチャート表示) | スペース(部署を越えたプロジェクトの情報共有) |
| アンケート | 日・英・簡・繁の4言語対応とタイムゾーン |
| 全文検索(クラウド版)・お気に入り |
どちらにもある機能でも、Garoonのほうが大きな組織向けに細かく作られています。
| 機能 | サイボウズ Office | Garoon |
|---|---|---|
| スケジュール | あり | 共有先を指定できる |
| 施設予約 | あり | 施設を階層で管理できる |
| 報告書(マルチレポート) | フォームは1種類 | 複数のフォームを作れる |
| 掲示板 | あり | カテゴリーを階層化できる |
| ワークフロー | あり | 代理承認・経路の条件分岐ができる |
部署が増えて「この情報はこの部署だけに見せたい」「申請の経路を金額で分けたい」といった要望が出てくると、Garoonの細かさが効いてきます。
管理機能の違い|組織が大きくなるほど差が出る
社員から見える機能以上に違うのが、管理者向けの機能です。
| 管理機能 | サイボウズ Office | Garoon |
|---|---|---|
| 階層的な組織設定 | なし | あり |
| ロール(役職・役割ごとのグループ) | なし | あり |
| アクセス権 | 許可対象を指定して設定 | 許可・制限の指定に加え、ロール単位で設定できる |
| 監査ログ | あり | あり |
| 管理権限の委譲 | あり | アプリケーション・フォルダー単位で委譲できる |
| 連携API | なし | あり |
| 外部サービス連携 | kintone | kintone、Web会議、Microsoft 365など |
※Web会議・Microsoft 365との連携は、連携製品の利用やカスタマイズによって実現します。
ロールを使うと、「部長」「各拠点の総務担当」のように、組織図とは別のまとまりでアクセス権を設定できます。拠点や部署が多く、人の異動が多い会社ほど、権限管理の手間に大きな差が出ます。また、連携APIがあるのはGaroonだけです。基幹システムや他のクラウドサービスとつなぎたい会社は、Garoonが前提になります。
価格の違い|人数別の月額で比べる
クラウド版の1ユーザーあたりの月額は、Officeのスタンダードが600円、プレミアムが1,000円、Garoonが900円です。人数ごとのライセンス費用に置き換えると、次のようになります。
| 利用人数 | Office スタンダード | Office プレミアム | Garoon |
|---|---|---|---|
| 50名 | 30,000円 | 50,000円 | 45,000円 |
| 150名 | 90,000円 | 150,000円 | 135,000円 |
| 300名 | 180,000円 | 300,000円 | 270,000円 |
※税抜・月払いのライセンス費用のみです。移行作業やオプションの費用は含みません。
カスタムアプリが不要なら、Officeのスタンダードが最も安くなります。一方でカスタムアプリのためにプレミアムを選んでいるなら、Garoonのほうが1ユーザー100円安くなります。Garoonへ移ってカスタムアプリだけをkintoneで作り直す場合は、kintoneの費用も加えて比べてください。
OfficeからGaroonに乗り換えると変わること
乗り換えには、できるようになることと、引き継げないものの両方があります。
できるようになること
- 部署や役割ごとに、必要な情報だけを集めたポータルを作れる
- 部署を越えたプロジェクトを、スペースで1か所にまとめて進められる
- ワークフローで代理承認や、条件による経路の分岐が使える
- 海外拠点や外国人スタッフが、英語・中国語の画面で使える
- APIで他システムと連携できる
引き継げないもの・変わること
カスタムアプリ、プロジェクト管理、アンケートはGaroonにありません。特にカスタムアプリは、kintoneへ移すか、クラウド版 Officeを併用して残すかを先に決める必要があります。詳しくはサイボウズ Office のカスタムアプリは移行できる?で解説しています。
画面や操作の流れも変わります。Officeに慣れた社員がとまどわないよう、管理者が先に操作を覚え、社内に説明できる状態にしておくことが重要です。サティライズでは、導入とあわせて管理者教育も行っています。
どちらを選ぶ?判断の4つのポイント
ここまでの違いを、判断のポイントとして4つにまとめました。1つでも当てはまれば、Garoonを検討する価値があります。
Officeの上限は300名です。人数が増える見込みがあるなら、Garoonを前提に考えます
階層的な組織設定やロールが必要なら、Garoonの管理機能が向いています
連携APIがあるのはGaroonだけです
4言語対応とタイムゾーン設定が使えるのはGaroonです
どれにも当てはまらず、今のOfficeの使い方に不満がなければ、無理にGaroonへ移る必要はありません。クラウド版 Officeで使い続けるのが、最も負担の少ない選択です。100〜300名の会社の判断や、kintoneを含めた3つの移行先の比較は、サイボウズ Office パッケージ版の移行先を比較で詳しく紹介しています。
OfficeからGaroonへの移行の流れ
OfficeのデータをコンバーターでGaroonへ移す作業は、サイボウズ オフィシャルパートナーだけが行えます。移行は、次の5つのステップで進みます。
今の使い方、組織、カスタムアプリの有無などを確認する
移行するデータの範囲、スケジュール、Garoonでの組織やアクセス権の設計を決める
本番と同じ手順で一度移行し、所要時間と移行後の状態を確かめる
業務への影響が小さい日程で、本番の移行を行う
移行後の設定を整え、社員が使い始めるまで支援する
規模:300ユーザー
きっかけ:事業拡大でユーザー数が増え、パッケージ版の利用限界に達していた。2027年9月のサポート終了も迫っていた
課題:データ容量が530GBに達し、クラウド化の際の上限を超えていた
対応:段階的なコンバート、データ削減による容量調整、クラウドへのアップロード、管理者教育
期間:2か月弱
▶ 事例の詳細を見る
パッケージ版 Officeのサポート終了日程と、移行の計画の立て方はパッケージ版サイボウズ Officeのサポート終了はいつ?をご覧ください。
よくある質問
- 50名程度の会社でもGaroonを使えますか?
使えます。Garoonは10ユーザーから契約できます。ただし規模が小さく、管理機能や連携の要望がなければ、サイボウズ Officeのほうがシンプルに運用できます。
- OfficeとGaroonは、どちらが安いですか?
クラウド版の1ユーザー月額(税抜)は、Officeのスタンダードが600円、プレミアムが1,000円、Garoonが900円です。カスタムアプリを使うためにOfficeのプレミアムを選ぶ場合は、Garoonより高くなります。
- Officeのデータは、Garoonにそのまま移せますか?
コンバーターで移行できますが、作業はサイボウズ オフィシャルパートナーだけが行えます。カスタムアプリ、プロジェクト管理、アンケートはGaroonにない機能のため、扱いを事前に決める必要があります。
- Garoonにはカスタムアプリのような機能はありますか?
ありません。業務アプリが必要な場合は、kintoneと連携させるか、クラウド版 Officeを併用します。
- どちらにするか迷った場合、相談できますか?
できます。サティライズでは、今の使い方や組織の状況をうかがったうえで、OfficeとGaroonのどちらが合うかをご提案しています。相談と見積もりは無料です。
まとめ|規模と管理のしやすさで選ぶ
サイボウズ OfficeとGaroonの違いは、想定する組織の規模と、それに合わせた管理機能にあります。100名程度までで今の使い方に満足しているならOffice、300名を超える、権限を細かく分けたい、他システムとつなぎたいならGaroonです。
乗り換える場合は、カスタムアプリなどOfficeだけの機能の扱いと、社員への操作説明を先に考えておくと、移行がスムーズに進みます。
「うちはOfficeのままでいいのか、Garoonにすべきか」と迷ったら、サティライズにご相談ください。オンラインで全国対応しており、相談・見積もりは無料です。

